目指せ販売士!

消費者に対する小売業の役割 -連載企画<Vol.3>-
@適正な商品の提供

小売業は、第1次・第2次生産者から供給される多くの消費財の中から、消費者に推奨できる適正な商品を消費者に代わって選択し、消費者が安心して品選びができる商品のみを準備しなければならない。
ここでいう適正な商品とは性能・機能・耐久性・安全性などの品質、使用上の便宜性・難易性・デザインやスタイルなどのファッション性、ブランドに対する社会的評価、保証やアフターケアシステムの有無、価格等の条件が満たされている商品の意味である。


A適切な商品構成

消費者は幅広い商品構成の中から自分の生活に最も適したものを選択しようとする基本的な購買姿勢を持っている。
このような購買目的にそった、品質、材質、デザイン、スタイル、サイズ、色合い、ブランド、価格のものを広い品揃えの中から選ぶことになる。一般に1品種1点だけの商品には、消費者は購買決断がつかないものである。
いろいろな角度から商品構成の基準を検討して、できる限り幅広い構成を行い、消費者に選択幅を持たせるよう心がけるべきである。


B適切な在庫管理

適切な量または額の手持ち在庫を適正在庫という。適正在庫以下の量または額の在庫の場合、これを過小在庫といい、欠品を起こして顧客の購買意欲をそぎ、店離れを起こしかねない。適正在庫を超えた場合を過剰在庫といい、在庫投資効率を悪化させ、ひいては社会的流通費の増大につながり、社会損失を招く。
消費者のためにも小売業経営のためにも適正在庫の管理は重要である。


C商品・流行・生活情報の提供

消費者は商品を購入し、使うことによって生活を便利にし、豊かにするなどの利益や満足を求めている。
小売業は
物品販売業であると同時に知識・情報提供業でなければならない。
小売業が消費者に提供する情報には、大きく商品情報、流行情報、生活情報の3つがある。

<商品情報>
1つひとつの商品について、その特色、用途、他の商品との違い、使い方、使ったときの利便性など、いわゆる商品知識・情報である。

<流行情報>
現在のファッション、今後の流行の見通しなどの情報である。

<生活情報>
消費者のライフスタイル、生活パターンに応じた、的確な商品の選択の仕方、その商品を取り入れた場合の生活改善・向上の可能性などの知識・情報をいう。


D買物の「場」の提供

訪販や通販方式が増加傾向にあるものの豊富な商品構成と情報を持つ店舗で現物に接し、コンサルティングを受けながら商品を選択する場があることを消費者は求めているといえる。
このような消費者のもとめに対して、小売業が利便性の高い特定の地域に店舗を構えることは本質的な役割と言える。



E買物の「楽しさ」の提供

消費者は買物をするとき、同時に楽しさや遊びの雰囲気、現代的なムードなどの感性的な要素をも重視する。
買物環境を整備する手段は、物的環境面と人的環境面の2面から考える必要がある。

【物的環境面】
1.店舗の形態・規模・設備・内装などからかもしだされる雰囲気
2.陳列用具と陳列方法
3.店内の空間的ゆとり
4.照明・冷房・BGMなどの効果的使用


【人的環境面】
ほとんどが販売員の接客態度で決まる。
販売員の表情、動作、言葉遣い、服装、身だしなみなどが含まれる。
これらの条件によって顧客に与える印象が大きく左右される。このような人的環境条件の外面に表れる基礎には、顧客に対する奉仕の精神と意欲がなければならない。



F買物の「便利さ」の提供

昨今、ほとんどの商品は、メーカーによる機能や価格の差がなくなってきている。小売業が同業他社との差別をつけるとすれば、商品に付随するサービスである。
駐車場の整備、商品の配達、取り寄せ、返品・取替え、アフターサービス、割賦販売、御用聞きなどの買物に付随するサービスがどの程度提供されるかによって、消費者の買物がスムーズに行えるか否かが決まる。

※<参考文献> 「販売士受験講座」日本法令
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